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訪問歯科 > 症状別のケア方法

症状別のケア方法

症状別にケアの方法をご紹介します。

パーキンソン病の方

手の震えはパーキンソン病が進行した人でも、一日中起こっているわけではありません。ある程度薬でコントロールでき、症状が全く出ない時間もあります。薬で症状をコントロールしながら、症状が少ないときにできるだけ自分で口腔ケアを行いましょう。できるだけ発病前と同じような生活を続けることが大切です。
症状の出方は、精神的なものも大きく関係しています。

介護者は症状を指摘したり、「早くして」などと焦らせるのはやめましょう!
歯磨きは調子の良いときで構いません。手が震えてうまく動かせないときは、介護者が手を添えて一緒に動かしてあげましょう。

 

用具の工夫

歯ブラシは持ちやすいことが大切です。
また、意図しない方向に手が震えることがあるので、歯肉を傷つけないように、柔らかい歯ブラシを選ぶと良いでしょう。症状が進行すると姿勢を保持するのがつらくなる場合があります。その場合は、クッションなどで首を支え、誤嚥しないように注意します。

認知症の方

認知症になってもできることはあるので、介護者は温かく見守りながらできないところはさりげなくサポートすることが大切です。

注意すること注意すること

認知症が進んでも、いつものように洗面台から歯ブラシを取り、いつもの所に置かれたコップを使うことをできる人もいます。その時注意したいのは、紛らわしいものを置かないこと。
洗顔料やハンドクリームのチューブを、歯磨き剤と間違えてしまうことがあります。

入れ歯をしていることを忘れてしまう場合

入れ歯を取るように言っても「入れ歯などしていない」と拒否するとき、無理強いはせず根気強く説得を繰り返しましょう。まずは、入れ歯を入れたまま歯磨きをしてもらっても良いでしょう。

認知症の人の口腔ケアの工夫

認知症が始まる前からの習慣で、歯ブラシを歯磨きのあと必ずコップにブラシを下にして入れていたので、反対にしておくと歯を磨いたかどうかわかる人もいます。介護者も一緒に歯磨きをして、ブクブクうがいをするとうまくいくということもあります。

 

経管栄養の方

経管栄養の方は、口の中に食べ物を入れるわけではないので、汚れないと思われがちですが、それは大きな間違いです。食べたり話したりしない状態が続くと、唾液が分泌されないので汚れを流すことができず、かえって口の中に汚れがたまります。また、咀嚼機能や嚥下機能が弱くなっている為、口腔ケアで口の中に刺激を与えてあげるようにしましょう。

行う時間の注意

通常の口腔ケアでは食後が原則ですが、経管栄養の方は、口の中を刺激すると吐き気を催し、注入した流動食が逆流してしまうことがあるので食後は避けましょう。

方法

寝たきりの方と要領は同じです。座位が取れる人は誤嚥を防ぐため前かがみの姿勢をとります。寝たきりの人は横向きにします。口の中が乾燥している人は、そのままで行うと口の中を傷つけるおそれがあるので少量の水か湿らせたガーゼで口の中を湿らせてからブラッシングを開始しましょう。

寝たきりの方

長く寝たきりの状態でいると、抵抗力が低下するので、細菌や微生物に感染しやすくなります。口の中を汚れたままにしておくと、さらに細菌や微生物が繁殖し、体力を低下させるという悪循環に陥ります。

痰を減らす

寝たきりの人の痰が増える原因のひとつは、汚れた唾液が気管支に入ることです。その痰が口呼吸などによって乾燥して、口や口の周りに薄い皮がつくのです。こうした場合は、口の中や周りを湿らせたガーゼやスポンジなどで拭き、可能ならばブラッシングしてみましょう。口の中をきれいにすると、細菌が減るので痰の量も減らすことができます。

姿勢

座ることのできない場合は横向きの姿勢をとってもらいます。横向きになれない人は仰向けでも構いませんが、顔は必ず横に向けないと誤嚥する危険があります。できるだけ短時間で済ませるようにします。口を開けた状態が続くと、呼吸に負担がかかります。

糖尿病の方

高血糖の状態では細胞が脱水症状になり、口の中が乾き、唾液も低下します。そのために口の中の自浄作用が低下して汚れやすくなり、口臭も起こります。同時に細菌の感染に弱くなるので、歯周病になりやすいといわれています。細菌感染に注意をして、こまめに柔らかい歯ブラシや指の腹で歯肉をマッサージしたり、口の周りを指の腹でマッサージをするなど、こまめに口腔ケアをしましょう。

よく噛んで食べると食事の量が減る

普通、満腹感はよく噛むことで、刺激が脳の満腹中枢に伝わり、そこで初めて満腹感を感じることができます。あまり噛んで食べないという人は、脳が満腹を感じるより早く、胃袋に沢山の食べ物を入れてしまい、食べ過ぎとなるのです。肥満予防の第一歩はよく噛んで食べること。そのためにはよく噛める健康な歯が大切なのです。

定期的に歯科検診を

血糖のコントロールがあまりうまくいかない人は年3〜4回、うまくいっている人でも年2回の歯科検診を受けることをお勧めします。

片マヒの方

多くの場合、片麻痺のある人は嚥下障害、構音障害(ろれつが回らない)、失語症なども併せて残ることが珍しくありません。口の中では筋肉の動きや感覚が低下し、麻痺側に食べかすが残っても気づきにくくなります。

本人に麻痺側を意識してもらう方法

片麻痺の人は、麻痺側の感覚が鈍くなっているばかりか、麻痺側のものが見えているのに認識できない場合があります。そこで役立つのが手鏡です。麻痺側を鏡に映すことで、麻痺側を意識することができ、食事や口腔ケアがスムーズにできることがあります。

持ちやすい歯ブラシを

麻痺が軽い場合は、麻痺側の手で歯ブラシを持って磨くとリハビリになります。
ブラシの柄にスポンジを巻いたり、柄を曲げたりして持ちやすい工夫をするといいでしょう。

座ることができない人の場合

麻痺側を下にして横向きで寝て、自分で磨ける人は、麻痺のない手で歯ブラシを持って磨きます。

座ることができる人の場合

麻痺側にクッションなどを当て、体のバランスを保ちます。麻痺側を意識するために、鏡を見てブラッシングするとよいでしょう。